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『ざくざくアクターズ』プレイレビュー
水着イベント「秘密結社をご存じ?」編:その35(始祖竜の叫び-その6)でち!
ヘルちん『なんとかアリウープさんを止めることができたわね……。』
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秘密結社がアリウープに勝利しました。
━━竜の島 海底神殿━━
レプトス『何も、何も話してはくださらないのですか?』
アリウープ『お主等の勝ちじゃ。
紋章はここにある。
受け取れ。』
レプトス『何故……何故、そんなに死にたがるのです!?
どうして、始祖竜達は
死ななければいけないのですか!?』
アリウープ『……レプトス。
深奥に達するという言葉を知っておるか?』
アリウープ『計り知れない奥深いところに、
真実の知恵でも見つけたようなことを言うらしい。
お主達は今日、この世界の深奥に達したのじゃ。』
アリウープ『しかし、どうじゃ?
地上からこんな所まで降りてきて。
お主等は、この竜の島を通ってきて何を思った?』
アリウープ『何もないから殺し合いを重ね、
人を欺き、馬鹿げた研究を続け、奴隷をはべらせ、
暴力で子分を作り、それにも飽きたら更なる刺激を求める。』
アリウープ『ここが世界でもっとも深くて遠い場所……。
しかし、わしから言わせると、こんな所には何もなかったよ。』
レプトス『………。』
アリウープ『しかし、それでも、
リュージンもリュウビトも天を見ておる。』
アリウープ『何世代も重ね、人魚の薬の効果が徐々に薄くなり、
太陽を浴びても平気な者も出てきた。
しかし、わしら始祖竜が狂っておる限りは──』
アリウープ『地上は、己の欲望を満たす為の侵略対象にしかならぬのよ。
そして、その結果がどうあれ、わしらに太陽は拝めぬ。』
アリウープ『今日も、太陽から最も遠い場所で、
わしらは永遠に刺激を求め続けるのじゃ……。』
レプトス『だ、だけど、だけど大婆様は違うじゃないですか……!
大婆様は狂ってなどおりません!』
レプトス『我々、リュージンをちゃんと導いてきました!
だからこそ、私達は地上に登ることが出来たのです。
それも友好的に!違いますか!?』
アリウープ『買いかぶるな。わしもクズの中の一人よ。
ああ、心底楽しかったなぁ……今の命のやりとりは……!』
アリウープ『お主等が友好的に地上に出て行ったのは、
それは太陽作戦の手順として必要だったからというだけだ。』
アリウープ『始祖竜を全滅させるというわしの野望の為に、
ただ利用されていただけよ。
もう、わしのことは忘れよ。』
アリウープ『始祖竜が全ていなくなれば、
リュージンにもリュウビトにも無限の未来がある。』
アリウープ『侵略にしろ、手を取るにしろ、お主達が決めればいい。
ここから先は、お主達の未来じゃ。
望めば望んだだけの選択肢がある。』
レプトス『お、大婆様……。』
ミア『……かっこよくまとめた風だけど。
それはちょっと違うんじゃないかしら?』
ミア『結局、あなたの好きなようにやっただけじゃないの。
始祖竜はみんな死にたがっていたの?
死にたがりやはあなただけなんじゃないの?』
アリウープ『構わん。わしが好きで終わらせた物語じゃ。
責任はわしの命でとる。』
アリウープ『しかし、責めるのであれば、
先に首を飛ばしてからにして欲しいものじゃな。
耳の方もだるい説教を聞かなくて済むじゃろう。』
ミア『聞いてもらわなければ困るのよ。
どうやら、十分後のあなたがやって来たから。』
アリウープ『なに?』
ミア『レプトス。
あなたの出番よ。』
レプトス『はい???』
ミア『ほらっ。
あとはなんかこう……うまいことやりなさいよね?』
Σレプトス『は???
はえ……?ええ!?』
ローズマリー『ミアさん、投げっぱなしじゃないですか……。』
ミア『しょうがないじゃないの。
私達は家族でもなんでもないんだから。』
レプトス『あ、あの大婆様!
やっぱりその、私は大婆様に死んで欲しくありませんし、
もう、死ぬ理由なんて無いと思うんです!』
レプトス『手放しには喜べませんが……。
過激な始祖竜が倒れていなくなった今、
大婆様もリュウビトを煽動する理由がないでしょう?』
レプトス『そ、そうです!
始祖竜の多くが死に、混乱を極める今だからこそ、
正しい道を歩める指導者がいるのではないですか──!?』
アリウープ『レプ。正しい道など無い。
わしは別に侵略するなとは言っておらん。』
レプトス『だとしてもですね……!?あなたは必要とされています!
シュプールが、ププルが、リプトンが、みんなが!
あなたの帰りを心待ちにしております!』
レプトス『それこそ不幸ではありませんか!
あなたがリュージンのことを思ってくださるのなら、
これ以上、私達を泣かせないでください!』
アリウープ『…………。』
ヘルちん『少しくらい耳を傾けてもいいじゃありません?』
ヘルちん『レプトスさんは
必死にあなたを追いかけて来たんですよ?
お互いの死さえも覚悟して……。』
アリウープ『わしは狂人じゃ。
こいつらのリーダーには相応しくない。』
レプトス『人魚の薬の狂気のことですか……!?
それがなんですか!
そんなものに負けるほど弱いお人だったのですか!?』
アリウープ『弱いさ。今でも恐怖と後悔に頭がぐるぐると回っておる。
……これは墓場まで持って行こうと思っておったが、
あやつら亡き今、もう話しても構わないか。』
アリウープ『始祖竜達は皆その「人魚の薬の狂気」を
拠り所にして、これまで生きてきたんじゃ。
どれだけ狂っていても最後の拠り所にな。』
アリウープ『しかし、
人魚の薬に人を狂気に走らせる力などない……。』
ミア『ええ?
で、でも、みんなが──それにあなただって。』
アリウープ『本当の自分は、人間だった頃の自分は
思いやりのある理性的で人間らしい「普通」であったと。
そう思い込まないとやっていられなかった。』
アリウープ『やがて、まともなのはメリュジーヌ一人となった……。
しかし、あれほど皆をまとめ、時には叱咤し、
人魚の薬に対抗する薬の製造を目指していたメリュジーヌが』
アリウープ『──ある日を境に急に狂ったことが。
ずっと気になっていてな。』
アリウープ『メリュジーヌはアンチ人魚の薬を作り出す為に、
大本である人魚の薬の研究もしていたのよ。』
アリウープ『そして、おそらくはその効果を詳しく知ってしまった。
……メリュジーヌ邸の化け物は大人しいものじゃろう?
ペコロドンもそうじゃな。』
アリウープ『わしも作ってみた結果、
人魚の薬は、ただ、人から化け物を作るだけの薬じゃった。』
アリウープ『人間のわしらには、思いやりがあり、
手を差し伸べることが出来て、平和を愛し、
他人の成功を喜び、ともに歩むことが出来る……。』
アリウープ『……幻想じゃった!
全部幻想じゃったよ!!』
アリウープ『わしらが心まで化け物になったのは。
この突き動かされるような刺激への衝動は……!
わしらの心がただ弱かっただけに過ぎぬっ……!!』
アリウープ『一皮むけばタダの化け物だった!!
こんなこと──こんなこと──!』
アリウープ『あいつらに言えようか……。
あいつらに……。』
アリウープ『ただ人間の頃の思い出だけを……。
繰り返し思い出して慰みにしている仲間に……。』
アリウープ『わしは……それを………。
言えなんだ……。』
レプトス『み、皆さん!分かりましたよ……!
ちょ、ちょっとだけ待っていてくださいね……!?』
レプトス『大婆様……!顔を上げてください……!
大切なお願いなんです!』
アリウープ『よう、よい……もう、やめてくれ……。
お主は太陽の下に戻れ……。』
アリウープ『いつまでも惜しんでいたって、
ここにも、わしにも、これ以上は何もない……。
何も──』
レプトス『何もないことがありますか!
どうか顔を上げて、水面をご覧ください。』
レプトス『そこに何が見えますか?』
アリウープ『……レプトスか??
何を泣いておる??』
レプトス『いいえ、大婆様!
それはあなたです!
アリウープ様のお顔ですよ!』
アリウープ『わし……じゃと??
ばかをいうな!こ、こんな子供みたいな──!?』
レプトス『そこに映っている顔が、狂人に見えますか?
これが、あなたなんです。
これが今のあなたの気持ちですよ……!』
レプトス『……大切なお仲間だったんですよね?』
アリウープ『な、なにかの間違いであろう……!?こんな!?
い、いや、仲間などではない──あいつらは!』
レプトス『何も隠す必要なんてありません。
何処にも敵なんていません。
あなたの痛みを、私にも聞かせてください。』
レプトス『私達は家族じゃないですか。
達観し、円熟したフリを続けていくうちに、
いつしか隠れてしまっていたんですよね?』
レプトス『あなたの最奥……。
純心はこんなにも痛がっていましたよ?』
アリウープ『わ、わしは──わしは──』
レプトス『きっと、
ここにやって来た人達も家族同然だった……。
みんなで夢を追いかけていたんですよね?
まだ、覚えているんですよね?』
レプトス『泣きわめいてもいいじゃないですか。
あなたの後悔を、怒りを──』
レプトス『悲しみを……。
この海底に眠る……
無数の家族に聞かせてやってください。
きっとみんな待っています。』
レプトス『終わったら、私が受け止めますから。ね?』
アリウープ『ううっ、ううううっ……!』
アリウープ『こんなつもりでは……!なかった……!
わしは、わしはただ──!』
アリウープ『メリュジーヌ、ボールス、ティムール、スミス、
許してくれ!ノア、セミラミス、シーザー、
ロムレス!許してくれ!!』
アリウープ『こんな海の底に誘ったわしを……。
ゆるしてくれ、ゆるしてくれっ……!!』
アリウープ『う……うわっぁあああああ……!!!』
そっとその場を去る秘密結社。
秘密結社はクールに去るぜ。
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━━秘密結社アジト━━
ヘルちん『というわけで、秘密結社は世界を救ったのでした!
グルメフェス──完──!』
ローズマリー『まだ終わっていませんからね?
ついでに、そのお話の中に、私も一緒にいましたからね?』
これにて一件落着かな?
次回は水着イベント「秘密結社をご存じ?」編:その36(始祖竜の叫び-その7)でち!
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